三重県指定文化財
八角大梵鐘
八角大釣鐘由来記
泰運寺は、元文五年(1740)泰運了啓禅師の開山にして、山紫水明の霊地です。
鐘楼の八角大釣鐘は、高さ、2.42メートル口径1.36メートル、重量4.87トンで各面に法華経一巻づゝ計八巻、総字数、実に六万九千三百八十四文字がきざまれている。内面には天開山泰運寺記、寄進者、鋳工、彫刻師、撞初め儀式等が詳細に記されており、これによると、天明の昔、泉州佐野庄食野(めしの)次郎左エ門の娘が、天下の富豪三井家に嫁いだが子無しであった為、この泰運寺の子安観音に祈願して一子が授かった縁故のよるものです。
また天明三年(1783年)三月十八日、鋳造にかかり天明五年十月に撞初めを式を挙行し、導師は二代目泰宋大和尚、寄進者の筆頭が、泉州佐野庄食野次郎左エ門、宮前堀内利右エ門、波瀬田中彦エ門等の名もみられる。鋳工は、伊勢、津の住人辻越後藤原種茂、辻但馬藤原吉種、彫刻師は美濃関後藤利右エ門宗茂、と記されている。
また上部の八大龍王は、大阪の内藤近江藤原宋厚の作、鐘内の銘文は、内藤治左エ門、藤原政宗の彫刻であり、共に撞初め式に附加されたものである。 以上
当山十七代 泰道誌
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